【介護からの脱却④】認知症の義母と紙おむつ介護の現実

義母との同居介護

義母との会話で、
幼い頃に学校に通えなかったことを聞きました。
そこで、高齢者向けの公共講座が、
散歩にもちょうど良い所にありましたので行ってみました。

皆さん学生になって楽しそうでした。
義母もそうなってほしかったのですが、
初日の出席を取る際に、
帽子を脱ぐよう注意され、
義母は機嫌を損ねて、
教室を出て行ってしまいました。

また、畑仕事が好きだと言うので、
野菜を栽培しているご近所さんに、
話してみましょうかと尋ねると、
人の土地ではやりたくない、とのことでした。

新しい環境に馴染むのは、抵抗があるようでしたが、
何かを始めたい気持ちがあったようです。

そんな時、義母の昔からの知人と出会い、
近くに住んでいることが分かりました。
木漏れ日の涼しいベンチに腰掛けて、
数人で楽しく過ごしておられました。
義母も時折、そこへ足を運ぶようになりました。

ところがある時、
「寒いから帰った方がいい」
そう言われました。
視線をそらしたその一言の背後に、
拒絶の本当の理由が隠れていました。
寒さではなく、おもらしだったのです。

嫁という立場から、
おむつへの切り替えを勧めることは、
とても難しいことでした。
義母は、おむつの取り扱いに混乱してましたし、
何よりも羞恥心から、着用を嫌がっていました。
そんな時、義姉が何日か義母についてくれ、
何とか乗り切ることができました。

環境は衛生的に保つことができるようになり、
お世話する側としては、
手がかからなくなりました。
けれど同時に、
義母の中で、何かが少しずつ欠け始めていました。

知ったかぶりのうそは減り、
好きだったマニキュアは、はがれたままでした。

うつろな眼差しで、
ただぼんやりと座っている義母を見ながら、
私は、言葉にならないやるせなさを感じました。

この連載のまとめは、こちらから
介護からの脱却まとめ 介護を終えて5年後に思うこと

コメント